歯科医院で人材不足が引き起こされる原因と3つの解決法 2020.02.26
昨今、歯科医院では歯科衛生士の人材不足問題が過熱しています。今までは歯科医院の数と患者さんの数が釣り合っている状態だったため、歯科医院が倒産するということはめったになかったのですが、ここ数年は歯科医院の倒産が相次いでいます。これからもこの傾向は年々強まっていく事が予測できます。
歯科医院が問題を抱えている原因として、一番に挙げられるのが歯科衛生士の人材不足です。
この記事では、そんな歯科医院の問題に触れながら、人材不足を解決する方法を紹介します。
歯科医院が抱えている問題
歯科医院が抱えている問題は医院によって様々です。人材不足が1番の問題であることは間違いないのですが、その他にも実は介在している問題があるのです。
- 歯科衛生士の人材が不足している
- 歯科医院の数が激増して競争が激しくなっている
- 歯科衛生士の労働環境がよくない
1つひとつ問題を掘り下げていきましょう。
歯科衛生士の人材が不足している
歯科医院が抱えている1番の問題が「歯科衛生士の人材不足」です。冒頭でも述べましたが、歯科衛生士の数の需要と供給がマッチしていないのです。
また、歯科衛生士のおよそ90%が女性の人材の為、結婚や出産を控えている歯科衛生士が非常に多いです。
一般の企業の場合ならば、「自分はこの企業である程度の地位を築くことができたから、出産した後も働きたい」といって復職することは珍しくないのですが、歯科衛生士の場合は同じ職場に復職する確率というのが非常に低いです。これが、人材不足を引き起こしている1つの原因なのかもしれません。
歯科医院の数が激増して競争が激しくなっている
2つ目は「歯科医院の数が激増して競争が激しくなっている」ことです。おそらく10年前でしたら、あまり立地や広告に力を入れなくても、歯科医院と患者数が釣り合っていたため、どこで開院しても、患者さんが来るということは当たり前でした。
しかし、今では患者さんが病院を選ぶことが一般的になったため、あまり患者さんに対して良くないサービスを行っている歯科医院は最悪の場合は倒産ということになってしまう可能性があります。
歯科衛生士の労働環境が良くない
3つ目が「歯科衛生士の労働環境が良くない」ことです。場所にもよると思うのですが、歯科医院のスタッフの約9割が女性となっていることが多いです。
なので、女性同士のいじめや院長にどれだけ気に入られるかによっても職場で自身が働く労働環境が左右されるというケースもあります。
離職率の高い歯科医院の特徴
次に離職率の高い歯科医院の特徴を紹介します。
- 面接時の内容と労働環境が異なる
- 衛生環境が劣悪
- 職場の人間関係が複雑
これらの特徴を抱えている病院の離職率は高いです。1つひとつ詳しくみていきましょう。
面接時の内容と労働環境が異なる
1つ目が「面接時の内容と労働環境が異なる」ことです。これは、本来は絶対にあってはならない事なのですが、離職率の高い歯科医院では存在する問題なのです。
例えば、面接時の段階で月の給与が25万円だと指定されていたとします。ですが、上記のような医院の場合だと面接時には知らされていない医院独自のルールで、ルールを破ったら減給というペナルティを課されるといったケースもあるので、面接時に必ず詳細に歯科医院の情報を確認するようにしましょう。
衛生環境が劣悪<
2つ目は「衛生環境が劣悪」です。
「厚生労働科学研究成果データベース 歯科ユニット給水システム純粋化装置の開発に関する研究」によると、「患者ごとに手袋を交換している」と答えた医師は半数程度、そして刃を取り付けるハンドピースを「患者ごとに交換・滅菌をしている」と答えた医院は52%という結果でした。衛生管理の徹底は患者さんだけでなく、歯科医院に勤めるスタッフの安全にもつながるので、このようなことをしている医院があれば、今すぐ改善するようにしましょう。
職場の人間関係が複雑
3つ目は「職場の人間関係が複雑」であることです。これは、どの職場でも必ず問題になることなのですが、歯科医院の場合は先ほども述べました通り、スタッフの約9割が女性なので、人間関係がより複雑になります。
なので、歯科医院の院長はスタッフの労働環境を改善するという意味合いも含めて、人間関係のマネジメントを行う必要があります。
歯科衛生士の人材不足を解決する3つの方法
それでは、どうやったら歯科衛生士の採用増やして人材不足を解消することができるのでしょうか。以下のようなことを見直してみる必要があるかもしれません。
- 労働環境を整える
- 希望する求人をはっきりさせる
- 求人方法を見直す
1つひとつ詳しくみていきましょう。
労働環境を整える
1つ目は「労働環境を整える」ことです。働いているスタッフの労働環境を改善すれば、自ずと離職率も下がりますし、スタッフの満足度が上がれば、労働に対する姿勢も変わります。そして、スタッフの方の対応が良かったといって患者さんの増加も見込めるはずです。
そのサイクルを作り出すには、まずはスタッフの労働環境を整えるということが大切になっていきます。
希望する人材をはっきりさせる
2つ目が「希望する人材をはっきりさせる」です。求人を募集する際に、ミスマッチを避けるためにも自分の歯科医院は「元気があって、資格を持っていることが必須!」といったように明確な求人条件を提示することが大事になります。
求人方法を見直す
最後に3つ目は「求人方法を見直す」ことです。従来では求人する方法が専門学校に直接求人を掲載するというパターンが多かったのですが、近年では求人サイトを用いての求人を募るケースが増えてきています。
なので、自身の歯科医院に合った求人募集方法を見つけることが、求人を増やすことに繋がりますので、ぜひ色々な模索を繰り返してみてください。
まとめ
歯科医院が抱えている問題と、離職する確率が高い歯科医院の特徴、そして、求人数を増やす解決策を提案してきましたが、いかがだったでしょうか。
人材不足で困っている歯科医院は、上記で紹介した解決方法を参考にして、自身の医院でも取り入れてみてください。